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スザクとルルーシュ、ほのぼの系閑話幻想話。
* * * * *
01. 発 端
ぐるぐる回る旧式の洗濯機を見つめて、スザクはぼんやりと時間を過ごしていた。
開け放たれた窓から澄み切った青空がのぞく。
気持ちのいい風が寮の部屋に備え付けられた無地のカーテンを揺らした。
いつもならば聞こえてくるはずの学生達のざわめきも聞こえず、間借りしている大学寮には静かな時間が流れている。
今日は、久々の非番だった。
でも今日は日曜日、学校は休みだ。
スザクは備え付けられた古い洗濯機に溜まった洗濯物を放り込み、渦を巻く水を呆けたように見つめる。
たまに帰って眠るだけの部屋は特に掃除する必要もなく、洗濯が終われば他にする事もなかった。
普通、『学生』は日曜日に一体何をしているんだろう。
・・・友達と街で買い物?
・・・彼女と映画館でデート?
どちらも『軍人』のスザクには遠い出来事だった。
洗濯機の脱水が鈍い音を立てて止まった時、部屋の隅にうち捨てられた電話が甲高い音を立てた。
スザクは驚いて電話機を引き寄せる。
着信ランプが赤く点滅していた。確かに家の電話が鳴っている。
携帯電話の所持を許されていない『イレブン』のスザクにとって、部屋の電話は唯一の個人的な連絡手段だ。
しかし、軍務に追われる日々の中では雑談まじりの電話をかける暇もなく、
もちろん軍属の『名誉ブリタニア人』にわざわざ電話をかけてくる者もいない。
部屋の電話が鳴るのを聞いたのは、今日が始めてだ。
けたたましく自己主張を続ける電話に向かって、スザクは恐る恐る手を伸ばす。
「もしもし、枢木・・・」
「スザクか」
全部言い終わらないうちに、聞き覚えのある声が受話器から飛び込んできた。
「・・・ルルーシュ?」
「あのさ、おまえ今日空いてるか」
「うん、今日は一日空いてるけど」
「じゃあ今すぐ、うちに来てくれ」
らしくない、焦りの滲む声でルルーシュがまくし立てた。
「クラブハウスの・・・俺の部屋、わかるよな?じゃ、すぐ来いよ」
疑問符を挟む暇もなく、プツリと電話が切れる。
スザクは思わず、まじまじと受話器を見つめて呟いた。
「やっぱり変わったよな、ルルーシュ」
<07-05-05>
01. 発 端
ぐるぐる回る旧式の洗濯機を見つめて、スザクはぼんやりと時間を過ごしていた。
開け放たれた窓から澄み切った青空がのぞく。
気持ちのいい風が寮の部屋に備え付けられた無地のカーテンを揺らした。
いつもならば聞こえてくるはずの学生達のざわめきも聞こえず、間借りしている大学寮には静かな時間が流れている。
今日は、久々の非番だった。
でも今日は日曜日、学校は休みだ。
スザクは備え付けられた古い洗濯機に溜まった洗濯物を放り込み、渦を巻く水を呆けたように見つめる。
たまに帰って眠るだけの部屋は特に掃除する必要もなく、洗濯が終われば他にする事もなかった。
普通、『学生』は日曜日に一体何をしているんだろう。
・・・友達と街で買い物?
・・・彼女と映画館でデート?
どちらも『軍人』のスザクには遠い出来事だった。
洗濯機の脱水が鈍い音を立てて止まった時、部屋の隅にうち捨てられた電話が甲高い音を立てた。
スザクは驚いて電話機を引き寄せる。
着信ランプが赤く点滅していた。確かに家の電話が鳴っている。
携帯電話の所持を許されていない『イレブン』のスザクにとって、部屋の電話は唯一の個人的な連絡手段だ。
しかし、軍務に追われる日々の中では雑談まじりの電話をかける暇もなく、
もちろん軍属の『名誉ブリタニア人』にわざわざ電話をかけてくる者もいない。
部屋の電話が鳴るのを聞いたのは、今日が始めてだ。
けたたましく自己主張を続ける電話に向かって、スザクは恐る恐る手を伸ばす。
「もしもし、枢木・・・」
「スザクか」
全部言い終わらないうちに、聞き覚えのある声が受話器から飛び込んできた。
「・・・ルルーシュ?」
「あのさ、おまえ今日空いてるか」
「うん、今日は一日空いてるけど」
「じゃあ今すぐ、うちに来てくれ」
らしくない、焦りの滲む声でルルーシュがまくし立てた。
「クラブハウスの・・・俺の部屋、わかるよな?じゃ、すぐ来いよ」
疑問符を挟む暇もなく、プツリと電話が切れる。
スザクは思わず、まじまじと受話器を見つめて呟いた。
「やっぱり変わったよな、ルルーシュ」
<07-05-05>
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